人財(個人)の成長が会社の成長であり、
会社の成長が沖縄県の発展に繋がる
代表取締役社長 兼 ウェルビーイング室長
宮倉 康彰
代表取締役社長 兼 ウェルビーイング室長
宮倉 康彰
新型コロナウイルス感染拡大やテクノロジーの進化、労働人口減少など複合的な要因が重なり、世界規模で類を見ない大きな変革が起こっています。
今後の30年を見据えて、将来の予測が困難な状況においても更なる成長を実現するべく「沖縄セルラー新働き方宣言~Challenge2.0~」を策定いたしました。変化をチャンスと捉え「社員も変わる、会社も変わる」ことで沖縄を牽引する新しい沖縄セルラーを目指します。
社員も変わる
社員が変わるためには、「多様性」と「キャリア自律」が欠かせない要素であると考えています。
激動する時代変化に対応し、持続的に成長していくためには、さまざまなバックグラウンドを持つ多様な人財が、それぞれの個性やこれまでに培ってきた経験、発想をぶつけ合って創造性を高め、イノベーションを生み出していくことが求められます。そのためにもそれぞれの持てる能力を存分に発揮できるような組織風土を醸成し、個性や価値観、さらには肩書や組織の違いを超えて、互いを信頼し合い、オープンに意見交換ができる人間尊重の精神を大切にしてまいります。
加えて、社員が自身のキャリア開発に関して主体的な目標を持ち、自己実現に向けて行動する「キャリア自律」が強く求められています。現状に満足せず、自らの意志で高い目標を設定し、失敗を恐れず、果敢にチャレンジすることが大切です。たとえ失敗したとしても、失敗からの学びは自らの糧となり、次の成功へ繋がります。スピード感を持ってトライ&エラーを繰り返し、成功するまであきらめずに取り組み続けることが重要だと考えています。社員一人ひとりの「キャリア自律」を支援する取り組みを推進してまいります。
会社も変わる
多様な人財が働きがいを持てる活力ある企業を目指し、さらなる「社員の物心両面での幸福」を追求します。
新人事制度の運用により、高い目標にチャレンジすることを評価のポイントに置くことで、挑戦する人を応援し、称賛していきます。また、高度な専門スキルを要するポジション「高度専門職(CP)」を職務系統として設置するなど、社員の自己成長・自己実現を組織の成長に繋げていきます。
その他、リアルとテレワークを組み合わせたハイブリッドな勤務制度や育児目的休暇やフレックス勤務の導入など、社員一人ひとりのライフステージや価値観・あらゆる課題に応じた「働き方」が選択できるよう整備を行いました。今後さらに先進的なテクノロジーを活用することで、社員が自身の能力を存分に発揮できる県内トップの働きやすい環境を構築します。
このように人事制度などのソフト面、働く環境などのハード面の両面を今後も連動的に整備し、社員のさらなるエンゲージメント向上を図ってまいります。
当社が持続的に成長し、沖縄県の発展に貢献するために設定した6つの重要課題(マテリアリティ)の一つに「多様な人財の育成」と「働きがいのある労働環境の実現」があります。これらを人的資本戦略の骨子として据え、「多様な人財が働きがいを持てる企業」への変革を目指します。
重要課題解決のプロセス評価にあたっては、エンゲージメントサーベイによって現状をモニタリングし、適切な取り組みに繋げていきます。
中期経営計画でも掲げている事業戦略として、当社では通信を核とした両利きの経営(既存事業の深化と成長領域の拡大)による持続的な企業価値向上を目指しています。
今後、コアビジネスである通信事業を中核に様々な業種と連携し、沖縄県の課題を解決する企業への変革を目指しています。
そのためにこれまでの人財像をアップデートし、事業戦略を推進してく多様な人財の獲得、育成が重要であると考えています。
性別や年齢、障がいの有無などの違いはもちろんのこと、キャリア/経験/スキル/価値観/思考など、人財の多様性を促進し、社員一人ひとりが持つ個性やこれまでに培ってきた経験、発想をぶつけ合うことで創造性を高め、新しい価値を生み出していきます。
当社はこれまで中長期的な育成を踏まえて新卒採用を中心に人財獲得に取り組んできましたが、 昨今の加速度的な事業環境の変化や事業領域の拡大、また業務内容の高度化・複雑化に適応するためには、 多様な人財の獲得が必要不可欠であると考えています。 事業戦略と連動した効果的な採用手法を常に検討・実行することで、人材獲得力の強化を図っています。
[2021年度以降の新卒・キャリア採用人数/比率]
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
新卒採用数 | 16人 | 6人 | 12人 |
キャリア採用数 | 8人 | 26人 | 27人 |
合計 | 24人 | 32人 | 39人 |
キャリア採用比率 | 33.3% | 81.3% | 69.2% |
当社は、社員一人一人の経験/スキル/価値観/思考などの多様性を尊重した上で、社員のキャリア開発に取り組み、組織の成長に繋げていきます。
2022年度よりキャリア自己申告アンケートを年1回実施し、キャリア開発を支援する環境を構築しています。
また、2023年に導入した新人事制度と連動した教育体系を構築し、階層ごとの求める役割に沿って、Off-JT(集合研修)、Eラーニング、免許・資格取得など学習方法を社員が選択し、自律的に業務や能力開発に取り組めるように支援しています。
キャリアアップに関しては最短1年で昇格できる制度とし、これまで産休・育休による昇格の遅れの改善やキャリア採用者の昇格など、入社年数によらず早期に実現できる等級制度に変更しました。また、高度な専門スキルを要するポジションに関しては職務定義をベースとした「高度専門職(CP)」という役職を新設し、管理職同等の待遇とすることでプロフェッショナル人財の活躍も推進します。
資格取得支援制度
社員の自律的な能力開発を支援する取り組みの一つとして、免許・資格取得支援制度を2019年4月に大幅改定しました。
会社の業務運営に深く関連する、あるいは生産性向上や事業・組織の成長に寄与する専門的な技術・技能・知識の形成を積極的に奨励し、今では全128種類(2024年度期初時点)の免許・資格に対して受験料等の費用を会社が支援しています。また沖縄県内で受験ができない公的資格の試験運営を代行し、自社開催を行うなど、自己啓発に取り組む機会を提供しています。
さらに、DX関連の資格については、奨励金を設定することでDX人財の育成を促進しています。
[資格取得支援]
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
支援件数 | 141件 | 221件 | 169件 |
支援制度を活用した社員数 | 78人 | 125人 | 108人 |
支援制度を活用した社員の割合 | 30.0% | 44.2% | 38.3% |
経営基盤強化において重要施策と位置付ける社内DXの推進を目的として、役員を含め全社員がDX基礎研修の受講を通してスキルのボトムアップを目指します。
また更に高度なDXコア専門スキルについては社内を選抜し育成を行い、各専門領域におけるプロフェッショナル人材の育成を目指します。
2023年度は社内DXをさらに加速させるべく、入門者向けAI Chatワークショップを開催しました。
KDDIが構築した社内向けの生成系AIサービスを活用することでセキュアな環境を実現しつつ、実際の利用方法をハンズオンで体験することで業務効率化を推進しています。
併せて、情報セキュリティ上の留意すべきポイントや利用ルールについても理解を深めてもらい、コンプライアンス意識の向上を図っています。
当社は、沖縄セルラーフィロソフィや行動指針においてダイバーシティに対する基本方針を定めております。
社員同士が互いに支え合う組織風土、テレワーク環境の構築や柔軟な勤務体系の整備により、女性の育児休業取得後の復帰率は100%を維持しています。
採用においても、性別によらず優秀な人財の採用に取り組んできました。新卒採用の女性社員が出産・育児を経験しながらも着実にキャリアを積み、管理職への登用も進んでいます。女性管理職構成比率については15%(2026年度までに)を目標値としており、今後も自社の課題を捉え、継続的な支援拡充を目指していきます。
[2024年3月末:管理職の男女比率](単体)
管理職者数 | 比率 | |
男性 | 42人 | 89.4% |
女性 | 5人 | 10.6% |
合計 | 47人 | ‐ |
今後、多様な人財が活躍するためには、「働きやすさのさらなる追求」と「働きがいの創出」が重要であると考えます。社員一人ひとりのワークライフバランスに配慮しながら、持続的に能力を発揮できる環境を追求するとともに、社員の自発的な姿勢から生み出されるチャレンジや創意工夫などの付加価値を称賛・評価することで働きがいを創出していきます。それにより人財が定着・活躍することで、当社の持続的な成長や生産性向上を図っていきます。
また、人財の多様性を促進する一方で、当社の存在意義や事業の目的を共有することを大切にしています。
経営の理念や基本理念に基づく「沖縄セルラー・コアバリュー」「沖縄セルラーフィロソフィ」の発信を通じて共通の価値観を醸成しています。
すべての社員が働きがいを持って自律的に仕事と向き合い、一致団結して事業活動に取り組める組織風土を醸成し、更なるイノベーション創出に繋げていきます。
当社は人事制度(評価・報酬・等級制度)を2023年度より全面改定しました。これまでの年功序列的な人事制度から役割等級に応じたチャレンジ・プロセス・実績を適切に評価した上で、最短1年で昇格可能な制度となります。
制度改定により、社員が自らの意志で高い目標を立て、その達成に向けて創意工夫・改善を繰り返す意識を醸成していきます。
また、評価の透明性を高め、成果を適正に報酬へと紐づけることで、社員の働きがい向上を目指します。
人材の多様性を促進する一方で、当社の存在意義や事業の目的を共有することを大切にしています。
経営の理念に基づく「沖縄セルラー・コアバリュー」「沖縄セルラーフィロソフィー」の浸透を図るため、部門横断でグループを構成し、毎月コアバリュー・フィロソフィをテーマに意見交換の場を設け、事業の目的や行動指針の共有に努めています。
また、理念の実践として、ビーチクリーン活動や台風時の無料充電サービスの提供、通信技術のお客さま体験イベントとして2021年度より実施している沖縄セルラー感謝祭の開催など、社員自らが発案者となり、地元に貢献するCSR活動を継続的に行っています。
当社は、ワークライフバランスの実現や生産性向上を図るためテレワーク環境の更なる充実に取り組みます。
強固なセキュリティが担保されたゼロトラスト型セキュリティ対応パソコンを配布することで、業務効率の向上を目指しています。
また、社員アンケートから子育てや介護と仕事の両立に関する課題を洗い出し、2023年12月にフレックス制度を導入しました。
男性が育児のために休暇を取得する前例が少なかったことや育児休業による収入減少への懸念などもあり、男性社員の育児休業の取得率は低い状況にありました。
この状況を解消するため、「育児目的休暇」の新設を行い、男性の育児参加を推進しています。
また、ワークライフバランスを考える家事育児分担ワークショップを開催する等、社員同士のコミュニケーションを通じて新たな視点や気づきを得る機会を創出しています。
[男性育休平均日数]
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
平均取得日数 | 0日 | 24.3日 | 53.4日 |
※2021年度:対象者なし
社員が幸せで、活力ある企業であり続けるためには、社員の「健康」が重要な経営課題と捉え、「社員の物心両面での幸福を追求すること。」との経営の理念のもと、社員一人ひとりの健康を組織で支える健康経営を推進します。
代表取締役社長を健康管理最高責任者とし、健康管理最高責任者の下、「健康推進ワーキング」(及び事務局)を設置、安全衛生委員会とも連携し、社員の健康面での施策を推進しています。2020年度にはウェルビーイングルームを設置し、産業保健師が常駐することで日常的に相談しやすい環境を整えた他、さらに2023年度からは健康経営に取り組む専任の組織として「ウェルビーイング室」を新設し、体制を強化しています。
[社員エンゲージメント]
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
総合スコア平均 | 74.7 | 75.2 | 74.3 |
当社グループに属するすべての会社で指標及び目標の設定が行われているものではないため、当社グループにおける記載が困難です。
このため、指標に関する目標及び実績は、当社のものを記載しております。
戦略 | 指標 | 2023年度 (目標) |
2023年度 (実績) |
2024年度 (目標) |
1.多様な人財の育成 | 新卒採用人数 | 12人 | 12人 | 8人 |
キャリア採用人数 | 14人 | 27人 | 26人 | |
DX基礎研修受講者数 | 276人 | 311人 | 320人 | |
DXコア専門スキル 研修受講者数 |
45人 | 54人 | 60人 | |
女性の育児休業 取得後の復帰率 |
100% | 100% | 100% | |
2.働きがいのある労働環境の実現 | ゼロトラスト型 セキュリティ対応 パソコン配布率 |
89% | 86% | 100% |
男性の育児休業・ 育児目的休暇の取得率 |
100% | 100% | 100% |